この標準情報(TR)は,2000年11月にWorld Wide Web Consortium(W3C)から公表された Document Object Model (DOM) Level 2 Style Specification, version 1.0 勧告を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した標準情報(TR)である。
この標準情報(TR)は,プログラム及びスクリプトがスタイルシート文書の内容に動的にアクセスし更新することを可能にする,プラットフォーム中立で言語中立なインタフェースである文書オブジェクトモデル水準2のスタイルシート及び段階スタイルシート(CSS)を規定する。文書オブジェクトモデル水準2 スタイルは,文書オブジェクトモデル水準2 コア[DOM Level 2 Core]及び文書オブジェクトモデル水準2 ビュー[DOM Level 2 Views]の上に構築される。
DOM水準2スタイルシートのインタフェースは,あらゆる種類のスタイルシートをも表現するのに用いられる基底インタフェースとする。特定のスタイルシート言語を表現するDOMモジュールは,これらのインタフェースから派生するインタフェースを含んでよいことが期待される。
1.の中で示すインタフェースは,必須ではない。DOMアプリケーションは,このモジュールが実装によってサポートされるかどうかを決定するために,DOMImplementationインタフェースのhasFeature(feature, version)メソッドを,そのパラメタ値をそれぞれ"StyleSheets"及び"2.0"として使用してもよい。
このモジュールを十分にサポートするためには,実装は,DOM水準2 コア規定[DOM Level 2 Core]の中で定義される"コア"機能もサポートしなければならない。DOM水準2 コア規定[DOM Level 2 Core]における適合性に関する追加情報を参照すること。
次のインタフェースの集合は,スタイルシートの共通記法を表現する。
StyleSheetインタフェースは,あらゆる種類のスタイルシートのための抽象基底インタフェースとする。それは,構造化文書に関連する一つのスタイルシートを表現する。
HTMLにおいては,StyleSheetインタフェースは,HTMLのLINK要素によって取り込まれる外部スタイルシート,又は行内のSTYLE要素のどちらかを表現する。
XMLにおいては,このインタフェースは,スタイル処理命令によって取り込まれる外部スタイルシートを表現する。
// Introduced in DOM Level 2:
interface StyleSheet {
readonly attribute DOMString type;
attribute boolean disabled;
readonly attribute Node ownerNode;
readonly attribute StyleSheet parentStyleSheet;
readonly attribute DOMString href;
readonly attribute DOMString title;
readonly attribute MediaList media;
};
booleanのdisabled
falseとなり, そうでない場合,trueとなる。この属性を変更することで,文書のスタイルを新しくできる。適切なメディア定義があって,しかもdisabled属性がfalseの場合だけに,スタイルシートが適用される。そこで,メディアが現在の利用者エージェントに適用できない場合には,disabled属性は無視される。
DOMStringのhref,読取り専用
nullとする。HTML 4.0のLINK要素のためにはhref属性定義,及びXMLのスタイルシート処理命令のためにはhref擬似属性を参照すること。
MediaListのmedia,読取り専用
ownerNodeの中で指定されることが多い。
メディアが指定されない場合には,MediaListは空になる。HTML 4.0のLINK要素のためにはメディア属性定義,及びXMLのスタイルシート処理命令のためにはメディア擬似属性を参照すること。メディアリストを修正することによって,disabled属性への変更を生じてもよい。
NodeのownerNode,読取り専用
LINK要素又はSTYLE要素であってよい。XMLに対しては,これは,リンク付け処理命令であってよい。他のスタイルシートによって取り込まれるスタイルシートに対しては,この属性の値は,nullとする。
StyleSheetのparentStyleSheet,読取り専用
nullとする。
DOMStringのtitle,読取り専用
ownerNodeの中で指定されることが多い。HTML 4.0のLINK要素のためには標題属性定義,及びXMLのためにはスタイルシート処理命令に関する標題擬似属性を参照すること。
DOMStringのtype,読取り専用
ownerNodeの中で指定されることが多い。
HTML 4.0のLINK要素のためには型属性定義,及びXMLのためにはスタイルシート処理命令に関する型擬似属性も参照すること。
StyleSheetListインタフェースは,スタイルシートの順序付き集合の抽象化を与える。
StyleSheetListにおける項目は,0から始まる整数インデクスによってアクセスできる。
// Introduced in DOM Level 2:
interface StyleSheetList {
readonly attribute unsigned long length;
StyleSheet item(in unsigned long index);
};
unsigned longのlength,読取り専用
StyleSheetsの数。妥当な子スタイルシートインデクスの範囲は,0からlength-1までとする。
itemnullを返す。
unsigned longのindex
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MediaListインタフェースは,この集まりの実装方法を定義又は制約することなしに,メディアの順序付き集まりの抽象化を与える。空リストは,メディア"all"を含むリストと同じとする。
MediaListにおける項目は,0から始まる整数インデクスによってアクセスできる。
// Introduced in DOM Level 2:
interface MediaList {
attribute DOMString mediaText;
// raises(DOMException) on setting
readonly attribute unsigned long length;
DOMString item(in unsigned long index);
void deleteMedium(in DOMString oldMedium)
raises(DOMException);
void appendMedium(in DOMString newMedium)
raises(DOMException);
};
appendMediumnewMediumを追加する。newMediumが既に使用されている場合には,それが,最初に取り除かれる。
DOMStringのnewMedium
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INVALID_CHARACTER_ERR: メディアが,基礎となるスタイル言語の中で有効でない文字を含む場合に,挙げられる。 NO_MODIFICATION_ALLOWED_ERR: このリストが読取り専用の場合に,挙げられる。 |
deleteMediumoldMediumによって指示されるメディアを,リストから削除する。
DOMStringのoldMedium
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NO_MODIFICATION_ALLOWED_ERR: このリストが読取り専用の場合に,挙げられる。 NOT_FOUND_ERR:
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itemインデクス番目を返す。インデクスがリストの中のメディアの数以上の場合,これは,nullを返す。
unsigned longのindex
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LinkStyleインタフェースは,スタイルシートを文書にリンク付けする働きをもつノードからそのスタイルシートを取得できる機構を与える。LinkStyleインタフェースのインスタンスは,リンク付けノードのインスタンスにおける束縛固有のキャストメソッド(DOM水準2のHTMLLinkElement,HTMLStyleElement又はProcessingInstruction)を用いて,得ることができる。
// Introduced in DOM Level 2:
interface LinkStyle {
readonly attribute StyleSheet sheet;
};
StyleSheetのsheet,読取り専用
DocumentStyleインタフェースは,文書に組み込まれたスタイルシートを取得できる機構を与える。DocumentStyleインタフェースのインスタンスは,Documentインタフェースのインスタンスにおける束縛固有のキャストメソッドを用いて,得ることができると期待される。
// Introduced in DOM Level 2:
interface DocumentStyle {
readonly attribute StyleSheetList styleSheets;
};
StyleSheetListのstyleSheets,読取り専用
HTMLLinkElementインタフェース参照)。要素が文書中に挿入され,リンク付けされたオブジェクトがスタイルシートであることを示す方法で,href属性及びtype属性の両方が設定された後に,基礎となるスタイルシートが生成される。
HTMLStyleElement参照)。要素が文書中に挿入され,利用者エージェントによって解釈されるスタイルシート言語にその要素が対応することを示す方法で,type属性が設定された後に,基礎となるスタイルシートが生成される。