Warwick Frameworkは、Carl Lagoze, Clifford A. Lynch, Ron Daniel Jr. (1996)で提案された多様なメタデータを扱うためのコンテナ・アーキテクチャである。これは、異なるメタデータスキーマによって記述されたメタデータを格納する「パッケージ」と、複数のパッケージを論理的に集めるためのメカニズムである「コンテナ」を主な構成要素とする。
メタデータを格納するためのパッケージには、実際には次の3種類がある。
インダイレクトのパッケージは、それ自体、直接属性情報を保有することがなく、外部に存在するメタデータ集合を参照する一種のポインタからなるパッケージである。インダイレクトのパッケージの参照先は、メタデータ集合から成るパッケージである場合と、別のインダイレクトパッケージをさらに参照したインダイレクトパッケージである場合とがある。この仕組みによって生じる参照の再帰には制限がない。
コンテナは、それ自身がコンテナであるパッケージである。再帰上の限界は定義されていない。
これら三つのパッケージの関係を次の図に示す。
メタデータは、パッケージとしてスキーマ毎に独立して管理される。そのため、スキーマの管理は、スキーマを作成した主体に完全に委ねられ、管理の分散化が図られていることも、特徴である。
またこの枠組みでは、メタデータコンテナがオブジェクトによって内部的に参照される場合と、そのオブジェクトの外部から参照される場合の両方が可能であるとされる。 内部から参照されるメタデータコンテナは、典型的には、コンテンツオブジェクトの著作者または管理者がオブジェクトを記述するために選んだメタデータを指す。外部から参照されるメタデータコンテナはコンテンツオブジェクトの作成者や管理者とは別の管理者によって作成され、維持されるメタデータを指す。実際は、オブジェクトの作成者は、このメタデータに気付かないことさえある。また、あるコンテナが、外部から参照されているかどうか判断するための仕組みは想定されていない。
この仕組みをどう実現するかは、実装に委ねられているが、Carl Lagoze, Clifford A. Lynch, Ron Daniel Jr. (1996)では、HTML、MIME、SGML及び分散環境での実装例を示している。
附属資料Aに、原文の日本語訳を載せる。