4.2 Multi-Schema Metadata Format


Multi-schema Metadata Formatは、ディジタル・ビジョン・ラボラトリーズ (DVL)によって開発された、商品情報をメタデータ化し、WWW上で提供するためのメタデータ形式である。DVLでは、MMFの他に、インターネット上でMMFを運用するためのMetadata Mediation Protocol (MMP) を開発している。DVLの研究は、次の3点にまとめることができる。

DVLの研究では、メタデータのスキーマ化にあたって、 という四つの層を設定している。

実際の商品カタログページに記載されるメタデータインスタンスは、情報提供者が記述する。WWW上の商品情報の場合、メタデータインスタンスは、HTMLのMETAタグを利用して記述される。

MMFの形式的なスキーマ定義は、Summary Object Interchange Format (SOIF)よって記述される。スキーマ作成には高度な知識と、ある程度の一般性が必要なため、個々の情報提供者が作成するのではなく、業界団体などの専門家によって作成されることが望ましいとされる。

スキーマオントロジの層では、スキーマの属性の間で、

という二つの関係を定義する。これらの関係をスキーマに定義しておくことで、同一の属性項目をもたないオブジェクト間で、意味的に類似した属性情報を交換することが可能になる。

標準属性辞書は、複数スキーマ間の互換性を実現するために、スキーマオントロジのさらに上に設定される層である。スキーマオントロジの層での、同等関係、包含関係は、標準属性辞書の意味素性によって定義されることになる。

さらに、このMMFを運用するために、Metadata Mediation Protocol (MMP)が規定されている。これは、商品カタログ情報をMetadata Mediatorとよばれる一種のエージェントが相互にやり取りする際に使用されるプロトコルである。Metadata Mediatorは、商品カタログページの特徴データを取得し、データベースに格納する。情報利用者からの要求に応じてデータを返し、自分のデータベースに該当するものがなければ、連携関係にある他のMetadata Mediatorに問い合わせをする。MMPはこの一連のやり取りを規定する。

MMF及びMMPを開発したDVLでは、この仕組みを利用した実証実験を行なっている (グルメファインダー http://cm.dvl.co.jp/ を参照のこと)。

参考文献


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