標準情報(TR)   TR X 0046:2001


vCard電子名刺のMIMEディレクトリプロファイル

vCard MIME Directory Profile



序文

この標準情報(TR)は,1998年9月にInternat Engineering Task Force (IETF)から公表されたRFC 2426, vCard MIME Directory Profileを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した標準情報(TR)である。


0. 一般

0.1 適用範囲

この規定は,vCard電子名刺に基づいて,電話帳人物オブジェクトのディレクトリ情報のための,MIME内容型[MIME-DIR]のプロファイルを定義する。このプロファイル定義は,特定のディレクトリサービス又はプロトコルとは独立とする。このプロファイルは,フォーマット化及び構造化された名前,フォーマット化及び構造化された配達用番地,電子メール用番地,複数の電話番号,写真,ロゴ,音声クリップなど,個人に関する様々な情報を表現し交換するために定義される。このプロファイルで使われるディレクトリ情報は,X.520及びX.521のディレクトリサービス勧告で定義されている人物オブジェクトのための属性に基づいている。このプロファイルは,[MIME-DIR]で定義されているMIME内容型の内部に電話帳ディレクトリエントリの[VCARD]表現を取り込むための方法も提供する。

0.2 表記

原規定において,"MUST","MUST NOT","REQUIRED","SHOULD","SHOULD NOT","RECOMMENDED","MAY"及び"OPTIONAL"が用いられている場合,[RFC2119]に規定するとおりに解釈する。

参考1 この標準情報(TR)では,対応する用語として次を用いる。

"MUST"及び"REQUIRED"に対応して,"…(し)なければならない。","…する。","…とする。","…による。"又は"必す(須)"を使用する。"MUST NOT"に対応して,"…(し)てはならない。"又は"…(し)ない。"を使用する。"SHOULD"及び"RECOMMENDED"に対応して,"…することが望ましい。"又は"…するのがよい。"を使用する。"SHOULD NOT"に対応して,"…しないほうがよい。"を使用する。 "MAY"に対応して,"…(し)てもよい。"又は"…差し支えない。"を使用する。 "OPTIONAL"に対応して,"オプション"を使用する。

参考2 この標準情報(TR)での逆スラッシュ(backslash)記号は,日本語環境では,しばしば円記号('\')として表示されることがある点に注意すること。

0.3 概要

[MIME-DIR]の規定は,ディレクトリ情報の異なる種類を保持するためのMIME内容型を定義する。ディレクトリ情報は,多くのディレクトリスキーマのいずれにも基づくことができる。この規定は,そのうちの一つのスキーマに基づいたディレクトリ情報を伝えるための[MIME-DIR]の利用プロファイルを定義する。すなわち,人物オブジェクトの電話帳型の利用プロファイルを定義する。

取り上げるスキーマは,X.520及びX.521ディレクトリサービス勧告で定義されている人物オブジェクトのための属性に基づいている。そのスキーマは,紙の名刺に通常見られる情報の電子的表現を提供するために,X.500シリーズ勧告で定義されている基本的な属性を強化している。このスキーマは,[VCARD]規定の中で最初に定義されたので,この[MIME-DIR]のプロファイルは,vCard MIMEディレクトリプロファイルとして参照される。

この利用プロファイルに基づくディレクトリエントリは,伝統的なディレクトリ,すなわち,エントリを一意に識別するために使われる識別名(distinguished name),利用者インタフェース又は提示の目的のために使われる名前のフォーマット化された表現,配達用番地の構造化された表現形式,様々な電話番号,エントリに関連する組織の情報などの電話帳情報を含むことができる。さらに,組織のロゴの画像,証明写真などの,伝統的な紙の名刺の情報を人物オブジェクトに含めることができる。

vCard MIMEディレクトリプロファイルは,ディレクトリエントリに関連する人物についての,他の重要な情報の表現のサポートも提供する。例えば,これらには,その人の誕生日,ディレクトリエントリに関連する名前の発音を示す音声クリップ又は幾つかの他のデジタルサウンドアプリケーション,ディレクトリエントリと関連する人物に関する緯度及び経度による地理的な位置決め,そのディレクトリ情報が最後に更新された日付及び時間,名刺に書かれることが多い注記,ウェブサイトのための統一資源ロケ−タ(URL),公開鍵情報などがある。このプロファイルは,スキーマへの非標準な拡張のサポートも提供する。これは,実装が,プロファイルの現在の能力を,ある標準化された方法で強化するという柔軟性を提供する。この電子名刺フォーマットに関するさらなる情報は,[VCARD]で見ることができる。

参考 この標準情報(TR)で引用しているCCITT Recommendation X.520(1988)は,ISO/IEC 9594-7:1988及びJIS X 5736:1993と一致し,CCITT Recommendation X.521(1988)は,ISO/IEC 9594-7:1988及びJIS X 5737:1993と一致している。X.520及びX.521は,ITU-T Recommendationとして,1993年,1997年,2001年に改正されたが,1993年に改正されたX.520(1993)は, JIS X 5731-6:1997と一致し,X.521(1993)は, JIS X 5731-6:1997と一致している。

1. vCard MIMEディレクトリプロファイルの登録

このプロファイルは,次の[MIME-DIR]登録テンプレート情報によって識別される。後続の節で,このプロフィル定義が定義される。

宛先:ietf-mime-directory@imc.org

件名:text/directory MIMEプロファイルVCARDの登録

プロファイル名:VCARD

プロファイルの目的: 人物オブジェクト又は電話帳型のディレクトリ情報を保持するため。ディレクトリエントリの中にとらえられる人物スキーマは,通常,電子名刺で見られるものとする。

使われる定義済みMIMEディレクトリ値の規定: uri,date,date-time及びfloat。

新しい値の規定: このプロファイルは,[MIME-DIR]テキスト値の規定をさらに制限する。さらに,binary,phone-number,utc-offset及びvcardの値の規定を追加する。

使われる定義済みMIMEディレクトリ型: SOURCE,NAME,PROFILE,BEGIN及びEND。

使われる定義済みMIMEディレクトリパラメタ: ENCODING,VALUE,CHARSET,LANGUAGE及びCONTEXT。

新しい型: FN,N,NICKNAME,PHOTO,BDAY,ADR,LABEL,TEL,EMAIL,MAILER,TZ,GEO,TITLE,ROLE,LOGO,AGENT,ORG,CATEGORIES,NOTE,PRODID,REV,SORT-STRING,SOUND,URL,UID,VERSION,CLASS及びKEY。

新しいパラメタ: TYPE。

プロファイルの特別な備考: vCardオブジェクトは,FN型,N型及びVERSION型を含まなければならない。一つのディレクトリエントリについて,関係するvCard特性をグループ化するために,このプロファイルは,[MIME-DIR]の型グループ化機能をサポートする。例えば,WORK又はHOMEに関連する特徴を記述するvCard特性は,一意なグループラベルでグループ化できる。プロファイルは,実装がこのプロファイル内で現在定義されている機能を拡張するための柔軟な方法として,非標準の型を使用することを許可する。非標準の型は,接頭辞文字列"X-"で識別される。

2. MIMEディレクトリの機能

vCard MIMEディレクトリプロファイルは,[MIME-DIR]で定義された多くの機能を利用する。2.では,[MIME-DIR]の内容型の定義の明確化又は拡張を示す。

2.1 定義済み型の利用

vCard MIMEディレクトリプロファイルは,2.1.1〜2.1.4で示す[MIME-DIR]の定義済み型を使う。

2.1.1 BEGIN及びEND型

内容実体は,"VCARD"の値をともなったBEGIN型で始まらなければならない。内容実体は,"VCARD"の値をともなったEND型で終わらなければならない。

2.1.2 NAME型

NAME型が存在する場合,その値は,SOURCE型で指定されているとおりに,vCardのソースに関連している表示可能な表示テキストとする。

2.1.3 PROFILE型

PROFILE型が存在する場合,その値は,"VCARD"でなければならない。

2.1.4 SOURCE型

SOURCE型が存在する場合,その値は,vCardのソースをどのように見つけるかという情報を提供する。

2.2 定義済みパラメタ型の利用

vCard MIMEディレクトリプロファイルは,[MIME-DIR]で定義されたとおりの次の定義済みパラメタ型を使用する。

2.3 定義済みVALUE型の利用

[MIME-DIR]で指定された定義済みデータ型の値は,N,NICKNAME,ADR及びCATEGORIESの値型の内部を除いて,コンマで分離された値のリストで繰り返してはならない。

[MIME-DIR]で定義されたテキスト値の型には,さらに次の制限を課す。

2.4 定義済みVALUE型の拡張

[MIME-DIR]で規定された定義済みデータ型の値は,vCardプロファイルがプロファイル固有の多くの値型を含むために,vCardプロファイルによって拡張されている。

2.4.1 BINARY

"binary"値型は,型の値が行内の符号化されたバイナリデータであることを指定する。この値型は,PHOTO,LOGO,SOUND及びKEYの型の中で指定することができる。

行内の符号化されたバイナリデータが指定された場合,ENCODING型パラメタが,符号化フォーマットを指定するために使われなければならない。バイナリデータは,"B"符号化フォーマットを使って符号化されなければならない。符号化されたバイナリデータの長い行は,[MIME-DIR]で定義される行継続の方法を使って(半角の)75文字で行継続することが望ましい。

この値型は,次の記法で定義される。

     binary = <[RFC 2047]で定義されるとおりの"B"バイナリ符号化文字列。> 

2.4.2 VCARD

"vcard"値型は,型の値が他のvCardであること指定する。この値型は,AGENT型の中で指定することができる。この値型は,この規定で定義される。vcard値型内での各々の型宣言は,それ自体一つのテキスト値内で指定されているので,それらは,通常の改行文字シーケンスであるCRLFの代わりに,逆スラッシュエスケープシーケンス"\n"又は"\N"で終端しなければならない。さらに,あらゆるコンマ文字(ASCIIの10進表現で44),セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)及びコロン文字(ASCIIの10進表現で58)は,逆スラッシュ文字(ASCIIの10進表現で92)を使ってエスケープされなければならない。例えば,AGENT型の値は,次のとおりに指定される。

     AGENT:BEGIN:VCARD\nFN:Joe Friday\nTEL:+1-919-555-7878\n
      TITLE:Area Administrator\, Assistant\n EMAIL\;TYPE=INTERN\n
      ET:jfriday@host.com\nEND:VCARD\n

2.4.3 PHONE-NUMBER

"phone-number"値型は,型の値が電話番号であることを指定する。この値型は,TEL型で指定することができる。この値型は,[CCITT E.163]及び[CCITT X.121]で定義されるとおりの電話番号の特別なセマンティクスをもつテキスト値とする。

2.4.4 UTC-OFFSET

"utc-offset"値型は,型の値がUTCからの符号付きオフセットであることを指定する。この値型は,TZ型で指定することができる。

その値型は,協定世界時(UTC)からのオフセットとする。これは,時及び分の単位での正又は負の差として指定される。例えば,+hh:mmなど。時は,24時間時計として指定される。時の値は,00〜23,分の値は,00〜59とする。時及び分は,桁数を維持する必要のために,上位にゼロをともなうことがある2桁とする。ISO 8601 UTCオフセットのための拡張フォーマットを使わなければならない。この拡張フォーマットは,時及び分のテキストフィールドの分離子としてコロン文字を利用する。

この値型は,次の記法で定義される。

     time-hour       = 2DIGIT        ;00-23
     time-minute     = 2DIGIT        ;00-59
     utc-offset      = ("+" / "-") time-hour ":" time-minute

2.5 構造型値

複合型の値は,セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)によって指定されるフィールド区切り子によって区切られる。複合特性値の構成要素の中のセミコロンは,逆スラッシュ文字(ASCIIの10進表現で92)によってエスケープされなければならない。

値のリストは,コンマ文字(ASCIIの10進表現で44)によって指定されるリスト区切り子で区切られる。値の中のコンマ文字は,逆スラッシュ文字(ASCIIの10進表現で92)によってエスケープされなければならない。

このプロファイルは,[MIME-DIR]で定義される型のグループ化機構をサポートする。関係する型のグループ化は,vCardの特性に関する共通セマンティクスを通信するために便利な技法となる。

2.6 行区切り及び行継続

このプロファイルは,[MIME-DIR]で定義されるのと同じ行区切り及び行継続の方法をサポートする。特に,内容行を構文解析する場合には,継続された行は,[MIME-DIR]に示されている行非継続の手続に従って,最初に行非継続されなければならない。内容行の生成後に,75文字より長い行は,[MIME-DIR]で示されている行継続手続きに従って,行継続されることが望ましい。

行継続は,型の値のあらゆる内容の符号化の後に行われる。行非継続は,内容行の中の型の値のあらゆる復号の前に行われる。

3. vCardプロファイルの機能

vCard MIMEディレクトリプロファイル型は,典型的には,単一のディレクトリエントリに付随するディレクトリ情報を含む。その情報は,個人連絡情報を取得するために修正された属性スキーマを使って記述される。vCardは,次に示すものを記述する属性を含むことができる。

a) 識別。
b) 配達用番地。
c) 電気通信用番地。
d) 地理的な説明。
e) 組織的な説明。
f) 一般的な説明。
g) このvCardに関連する特定のオブジェクトについてのセキュリティ及びアクセスの情報。

3.1 識別型

3.1で示す型は,このvCardに関する個人又は資源の識別及び名前付けに関連する情報を取得するために使われる。

3.1.1 FN型定義

宛先:ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型FNの登録

型名:FN

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの名前に対応するフォーマット化されたテキストを指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: この型は,X.520 Common Name属性のセマンティクスに基づく。その特性は,vCardオブジェクトの中に存在しなければならない。

型の例:

     FN:Mr. John Q. Public\, Esq.

3.1.2 N型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型Nの登録

型名: N

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの名前の構成要素を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一の構造化されたテキスト値。それぞれの構成要素は,複数の値をもつことができる。

型の特別な備考: 構造化された型の値は,順番に,姓,名,付加的な名前,前置の敬称,及び後置の敬称に対応する。テキスト構成要素は,セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)によって分離される。個々のテキスト構成要素は,コンマ文字(ASCIIの10進表現で44)によって分離される複数のテキスト値(例えば,複数の付加的な名前)を含むことができる。この型は,X.520の個別名属性のセマンティクスに基づく。その特性は,vCardオブジェクトの中に存在しなければならない。

型の例:

     N:Public;John;Quinlan;Mr.;Esq.

     N:Stevenson;John;Philip,Paul;Dr.;Jr.,M.D.,A.C.P.

3.1.3 NICKNAME型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型NICKNAMEの登録

型名: NICKNAME

型の目的: vCardが表現するオブジェクトのニックネームに対応するテキストを指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: コンマ文字(ASCIIの10進表現で44)によって分離される一つ以上のテキスト値。

型の特別な備考: ニックネームとは,人,場所又は物に属する名前に代わって又は付加して与えられる記述的な名前とする。これは,FN型又はN型によって指定される固有名の親しみやすい形式を指定するためにも使うことができる。

型の例:

     NICKNAME:Robbie

     NICKNAME:Jim,Jimmie

3.1.4 PHOTO型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型PHOTOの登録

型名: PHOTO

型の目的: vCardが表現するオブジェクトのある様相を注記する画像又は写真の情報を指定するため。

型の符号化: 符号化は,行内の符号化されたバイナリデータを指定するために,ENCODINGパラメタを使って"b"に再設定しなければならない。値がURI値で参照される場合には,8ビットのデフォルト符号化が使用され,明示的なENCODINGパラメタは必要としない。

型の値: 単一の値。デフォルトは,バイナリとする。uri値に再設定することもできる。uri値は,このMIME実体の外部での値を指定するために使うことができる。

型の特別な備考: この型は,図形画像フォーマット型を指定するために型パラメタ"TYPE"を含むことができる。TYPEパラメタ値は,IANAに登録された画像フォーマットの一つ又は非標準の画像フォーマットでなければならない。

型の例:

     PHOTO;VALUE=uri:http://www.abc.com/pub/photos
      /jqpublic.gif


     PHOTO;ENCODING=b;TYPE=JPEG:MIICajCCAdOgAwIBAgICBEUwDQYJKoZIhvcN
      AQEEBQAwdzELMAkGA1UEBhMCVVMxLDAqBgNVBAoTI05ldHNjYXBlIENvbW11bm
      ljYXRpb25zIENvcnBvcmF0aW9uMRwwGgYDVQQLExNJbmZvcm1hdGlvbiBTeXN0
      <...remainder of "B" encoded binary data...>

3.1.5 BDAY型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型BDAYの登録

型名: BDAY

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの誕生日を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: デフォルトは,単一の日付値とする。これは,単一の日付及び時間の値に再設定することもできる。

型の例:

     BDAY:1996-04-15

     BDAY:1953-10-15T23:10:00Z

     BDAY:1987-09-27T08:30:00-06:00

3.2 配達用番地型

3.2で示す型は,vCardオブジェクトのための配達用の番地又はラベルに関係した情報に関わる。

3.2.1 ADR型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型ADRの登録

型名:ADR

型の目的: vCardオブジェクトのための配達用番地の構成要素を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)によって分離される単一の構造化されたテキスト値。

型の特別な備考: 構造化された型の値は,番地の構成要素の列で構成される。構成要素の値は,対応する位置で指定されなければならない。構造化された型の値は,順番に,私書箱,拡張番地,街路番地,地区(例えば,市),地域(例えば,州又は省),郵便番号及び国名に対応する。構成要素の値が存在しない場合でも,関連する構成要素分離子は,指定されなければならない。

テキストの構成要素は,セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)によって分離される。意味的に理解できる場所では,個別のテキスト構成要素が,コンマ文字(ASCIIの10進表現で44)によって分離された複数のテキスト値(例えば,複数行からなる"street"の構成要素)を含むことができる。

この型は,配達用番地型を指定するために型パラメタ"TYPE"を含むことができる。TYPEパラメタ値は,国内の配達用番地を示すために"dom",国際的な配達用番地を示すために"intl",郵便の配達用番地を示すために"postal",郵便小包の配達用番地を示すために"parcel",住居のための配達用番地を示すために"home",仕事の場所のための配達用番地を示すために"work",及び二つ以上の番地を指定する場合には優先する配達用番地を示すために"pref"を含むことができる。これらの型パラメタ値は,パラメタリスト(すなわち,"TYPE=dom;TYPE=postal"など。)又は値リスト(すなわち,"TYPE=dom,postal"など。)として指定できる。この型は,X.520の地理的番地属性及び郵便用番地属性のセマンティクスに基づく。デフォルトは,"TYPE=intl,postal,parcel,work"とする。このデフォルトは,一つ以上の代替値を指定することによって,値の他の集合へと上書きできる。例えば,デフォルトを,仕事にも使用される住居の郵便配達のための国内の配達用番地を指定するために,"TYPE=dom,postal,work,home"に再設定することができる。

型の例: 次の例には,私書箱及び拡張番地は存在しない。

     ADR;TYPE=dom,home,postal,parcel:;;123 Main
       Street;Any Town;CA;91921-1234

3.2.2 LABEL型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型LABELの登録

型名: LABEL

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの配達用番地に対応するフォーマット化されたテキストを指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: 型の値は,vCardオブジェクトの配達用番地ラベルを表すために使用できるフォーマット化されたテキストとする。この型は,配達用ラベル型を指定するために型パラメタ"TYPE"を含むことができる。型パラメタ値は,国内の配達用ラベルを表すための"dom",国際的な配達用ラベルを表すための"intl",郵便の配達用ラベルを表すための"postal",郵便小包の配達用ラベルを表すための"parcel",住居のための配達用ラベルを表すための"home",仕事の場所のための配達用ラベルを表すための"work",及び二つ以上の住所を指定する場合には優先配達用ラベルを表すための"pref"を含むことができる。これらの型パラメタ値は,パラメタリスト(すなわち,"TYPE=dom;TYPE=postal"など。)又は値リスト(すなわち,"TYPE=dom,postal"など。)として指定することができる。この型は,X.520の地理的番地属性及び郵便用番地属性のセマンティクスに基づいている。デフォルトは,"TYPE=intl,postal,parcel,work"とする。このデフォルトは,一つ以上の代替値を指定することによって,値の他の集合へ上書きできる。例えば,デフォルトを,居住地の郵便及び郵便小包の両方の配達のための国際的な配達用ラベルを指定するために,"TYPE=intl,post,parcel,home"に再設定することができる。

型の例: 複数行の住所ラベルの例。

     LABEL;TYPE=dom,home,postal,parcel:Mr.John Q. Public\, Esq.\n
      Mail Drop: TNE QB\n123 Main Street\nAny Town\, CA  91921-1234
      \nU.S.A.

3.3 電気通信用番地型

3.3で示す型は,vCardが表現するオブジェクトの電気通信用番地に関連した情報に関係する。

3.3.1 TEL型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型TELの登録

型名:TEL

型の目的: vCardが表現するオブジェクトとの電話通信のための電話番号を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一の電話番号の値。

型の特別な備考: この型の値は,大域的に一意な電話加入者端点のあいまいでない表現を指定するために,正準的な形式で指定される。この型は,X.500シリーズ勧告の電話番号属性に基づく。

この型は,電話番号のための意図された使用を指定するために型パラメタ"TYPE"を含むことができる。TYPEパラメタ値は,住居に関連した電話番号を表すための"home",電話番号が音声メッセージをサポートすることを表すための"msg",仕事の場所に関連した電話番号を表すための"work",優先使用の電話番号を表すための"pref",音声電話の電話番号を表すための"voice",ファクシミリの電話番号を表すための"fax",携帯電話番号を表すための"cell",テレビ会議の電話番号を表すための"video",ページング装置の電話番号を表すための"pager",掲示板システムの電話番号を表すための"bbs",モデムが接続されている電話番号を表すための "modem",自動車電話の電話番号を表すための"car",ISDNサービスの電話番号を表すための"isdn",及び個人通信サービスの電話番号を表すための"pcs"を含むことができる。デフォルトの型は,"voice"とする。これらの型パラメタ値は,パラメタリスト(すなわち,"TYPE=work;TYPE=voice"など。)又は値リスト(すなわち,"TYPE=work,voice"など。)として指定することができる。デフォルトは,一つ以上の代替値を指定することによって,値の他の集合へと上書きすることができる。例えば,"voice"のデフォルトの型は,値リスト"TYPE=work,home,voice,fax"によって仕事及び住居であって,音声及びファクシミリの電話番号に再設定できる。

型の例:

     TEL;TYPE=work,voice,pref,msg:+1-213-555-1234

参考 X.520の電話番号属性で参照されているCCITT Recommendation E.123(1988)では, 電話番号の各部分の区切り子としてスペースを使わなければならず,ハイフン,ピリオド,ダッシュなどは使ってはならないことが規定されているが,この標準情報(TR)では,例からも明らかなように,電話番号の各部分の区切り子としてハイフン(ASCIIの10進表現で45)を許容した処理系の実装が好ましい。この標準情報(TR)の4.で定義される形式文法では,telephone-number-valueはCCITT Recommendation E.163(1988)及びX.121(1988)で定義されるとおりの単一のテキスト値であると定義されているが,電話番号の表記方法に関してはCCITT Recommendation E.123(1988)が間接的に参照されているので,同様のことが言える。

3.3.2 EMAIL型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型EMAILの登録

型名: EMAIL

型の目的: vCardが表現するオブジェクトとの通信のための電子メール用番地を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: この型は,電子メール用番地のフォーマット及び優先使用を指定するために型パラメタ"TYPE"を含むことができる。型パラメタの値は,インタネットの番地型を表すための"internet", X.400の番地型を表すための"x400",及び二つ以上指定されている場合には優先使用の電子メール用番地を表すための"pref"を含むことができる。他のIANAに登録されている番地型を指定することもできる。デフォルトの電子メール型は,"internet"とする。非標準の値も指定することができる。

型の例:

     EMAIL;TYPE=internet:jqpublic@xyz.dom1.com

     EMAIL;TYPE=internet:jdoe@isp.net

     EMAIL;TYPE=internet,pref:jane_doe@abc.com

3.3.3 MAILER型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型MAILERの登録

型名: MAILER

型の目的: vCardに関連する個人が使用する電子メールソフトウェアの型を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: この情報は,使うことができるデータ表現の型,及びそれをどのようにパッケージ化できるかに関して,通信実体に支援を提供することができる。この特性は,MIME利用者エージェント製品が一般的に実装する私的なMIME型のX-Mailerに基づく。

型の例:

     MAILER:PigeonMail 2.1

3.4 地理型

3.4で示す型は,vCardが表現するオブジェクトに関連する地理的な位置又は区域に関連する情報に関係する。

3.4.1 TZ型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型TZの登録

型名: TZ

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの時間帯(time zone)に関係する情報を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: デフォルトは,単一のutc-offset値とする。単一のテキスト値に再設定することもできる。

型の特別な備考: 型の値は,単一の値から構成される。

型の例:

     TZ:-05:00

     TZ;VALUE=text:-05:00; EST; Raleigh/North America
     ; これは,単一の値の例であって,構造化テキスト値の例ではない。

3.4.2 GEO型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型GEOの登録

型名: GEO

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの地球上の位置決めに関係する情報を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)によって分離された二つの浮動小数点値から構成される単一の構造化された値。

型の特別な備考: この型は,vCardに関連するオブジェクトの地球上の位置に関係する情報を指定する。その値は,緯度及び経度をこの順序で指定する。すなわち,"LAT LON"("緯度 経度")の順とする。経度は,それぞれ,正又は負の実数として本初子午線の東又は西の位置を表現する。緯度は,それぞれ,正又は負の実数として赤道の北又は南の位置を表現する。経度及び緯度の値は,10進表現の度として指定しなければならないが,小数第6位まで指定することが望ましい。これによって,地理的な位置を1メートル以内の精度で示すことができる。テキストの構成要素は,セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)によって分離される。 度,分,及び秒の組を10進表現の度に変換するための簡単な公式を,次に示す。

     10進表現の度 = 度 + 分/60 + 秒/3600

型の例:

     GEO:37.386013;-122.082932

3.5 組織型

3.5で示す型は,vCardが表現するオブジェクトの組織又は部門の特徴に関連する情報に関係する。

3.5.1 TITLE型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型TITLEの登録

型名: TITLE

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの,仕事上の肩書き,職務上の地位,又は職務を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: この型は,X.520のTitle属性に基づく。

型の例:

     TITLE:Director\, Research and Development

3.5.2 ROLE型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型ROLEの登録

型名: ROLE

型の目的: vCardが表現するオブジェクトの,役職,職業又は職種に関係する情報を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: この型は,X.520のBusiness Categoryという説明的な属性に基づく。この特性は,この型のセマンティクスを意図している場合に,TITLE型のセマンティクスとの混乱及びTITLE型の誤った利用を避けるために,組織型の一つとして含める。

型の例:

     ROLE:Programmer

3.5.3 LOGO型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型LOGOの登録

型名: LOGO

型の目的: vCardが表現するオブジェクトに関連するロゴの図形画像を指定するため。

型の符号化: 符号化は,行内の符号化されたバイナリデータを指定するためのENCODINGパラメタを使って,"b"に再設定されなければならない。値がURI値で参照される場合には,8ビットのデフォルト符号化が使用され,明示的なENCODINGパラメタは必要としない。

型の値: 単一の値。デフォルトは,バイナリ値とする。uri値に再設定することもできる。uri値は,このMIME実体の外部での値を指定するために使うことができる。

型の特別な備考: この型は,図形画像フォーマット型を指定する型パラメタ"TYPE"を含むことができる。TYPEパラメタ値は,IANAに登録された画像フォーマットの一つ又は非標準の画像フォーマットでなければならない。

型の例:

     LOGO;VALUE=uri:http://www.abc.com/pub/logos/abccorp.jpg

     LOGO;ENCODING=b;TYPE=JPEG:MIICajCCAdOgAwIBAgICBEUwDQYJKoZIhvcN
      AQEEBQAwdzELMAkGA1UEBhMCVVMxLDAqBgNVBAoTI05ldHNjYXBlIENvbW11bm
      ljYXRpb25zIENvcnBvcmF0aW9uMRwwGgYDVQQLExNJbmZvcm1hdGlvbiBTeXN0
      <..."B"符号化されたバイナリデータの残り...>

3.5.4 AGENT型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型AGENTの登録

型名: AGENT

型の目的: vCardに関連する個人又は資源の代わりに行動する他の人ついての情報を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: デフォルトは,単一のvcard値とする。それは,単一のテキスト値又はuri値に再設定することもできる。テキスト値は,テキスト形式の情報を指定するために使うことができる。uri値は,このMIME実体の外部での情報を指定するために使うことができる。

型の特別な備考: この型は,通常は,vCardに関連した個人のための領域管理者,援助者又は秘書を指定するために使う。AGENT型の大切な特徴は,分離して番地指定できる人又は物を表現することにある。

型の例:

     AGENT;VALUE=uri:
      CID:JQPUBLIC.part3.960129T083020.xyzMail@host3.com

     AGENT:BEGIN:VCARD\nFN:Susan Thomas\nTEL:+1-919-555-
      1234\nEMAIL\;INTERNET:sthomas@host.com\nEND:VCARD\n

3.5.5 ORG型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型ORGの登録

型名: ORG

型の目的: vCardに関連する組織名及び部門を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: セミコロン文字(ASCIIの10進表現で59)によって分離された構成要素から成る単一の構造化されたテキスト値。

型の特別な備考: この型は,X.520のOrganization Name属性及びOrganization Unit属性に基づく。型の値は,一つ以上の階層の部門名が後に続く組織名から成る構造化された型とする。

型の例: 組織名,1番目の部門名及び2番目の部門名から成る型の値を次に示す。

     ORG:ABC\, Inc.;North American Division;Marketing

3.6 説明用の型

3.6で示す型は,特定のvCardに固有な参考又は改訂に関係した,付加的な説明に関連する。

3.6.1 CATEGORIES型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型CATEGORIESの登録

型名: CATEGORIES

型の目的: vCardについての応用カテゴリ情報を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: コンマ文字(ASCIIの10進表現で44)によって分離される一つ以上のテキスト値。

型の例:

     CATEGORIES:TRAVEL AGENT

     CATEGORIES:INTERNET,IETF,INDUSTRY,INFORMATION TECHNOLOGY

3.6.2 NOTE型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型NOTEの登録

型名: NOTE

型の目的: vCardに関連する補助的な情報又は注釈を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: 型は,X.520のDescription属性に基づく。

型の例:

     NOTE:This fax number is operational 0800 to 1715
       EST\, Mon-Fri.

3.6.3 PRODID型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型PRODIDの登録

型名: PRODID

型の目的: vCardオブジェクトを生成した製品に対する識別子を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: 実装は,テキスト値が一意となることを保証するために,ISO 9070(JIS X 4172)の公式公開識別子に対して指定されるような方法を使うことが望ましい。

型の例:

     PRODID:-//ONLINE DIRECTORY//NONSGML Version 1//EN

3.6.4 REV型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型REVの登録

型名: REV

型の目的: 現在のvCardについての改訂情報を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: デフォルトは,単一の日時値とする。単一の日付値に再設定することもできる。

型の特別な備考: 値は,このvCardにおける情報の現在の版を,その情報の他の表現のために区別する。

型の例:

     REV:1995-10-31T22:27:10Z

     REV:1997-11-15

3.6.5 SORT-STRING型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型SORT-STRINGの登録

型名: SORT-STRING

型の目的: FN型及びN型の各国言語に固有なソートに使われる姓又は名のテキストを指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: ソート文字列は,フォーマット化された名前の型及び構造化された名前の型の地域言語又は国言語に固有なソートで使われる姓又は名のテキストを提供するために使用する。この情報がない場合には,ソートアルゴリズムが,ソート済みvCardの列の内部でこのvCardを正しくソートできないことがある。この型がvCardの中に存在する場合には,この姓又は名の値が,vCardのソートのために使用される。

型の例: 次の例は,姓のソートの場合に対して,FN型及びN型の共通ソート文字列の利用を定義する。

     FN:Rene van der Harten
     N:van der Harten;Rene;J.;Sir;R.D.O.N.
     SORT-STRING:Harten

     FN:Robert Pau Shou Chang
     N:Pau;Shou Chang;Robert
     SORT-STRING:Pau

     FN:Osamu Koura
     N:Koura;Osamu
     SORT-STRING:Koura

     FN:Oscar del Pozo
     N:del Pozo Triscon;Oscar
     SORT-STRING:Pozo

     FN:Chistine d'Aboville
     N:d'Aboville;Christine
     SORT-STRING:Aboville

3.6.6 SOUND型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型SOUNDの登録

型名: SOUND

型の目的: vCardのある観点を注記するディジタル音内容情報を指定するため。デフォルトで,この型は,vCardの名前型の値の正しい発音を指定するために使用される。

型の符号化: 符号化は,行内の符号化されたバイナリデータを指定するために,ENCODINGパラメタを使って"b"に再設定されなければならない。値がURI値で参照される場合には,8ビットのデフォルト符号化が使用され,明示的なENCODINGパラメタは必要ではない。

型の値: 単一の値。デフォルトは,バイナリ値とする。uri値に再設定することもできる。uri値は,このMIME実体の外部の値を指定するために使うことができる。

型の特別な備考: 型は,音声フォーマット型を指定するために型パラメタ"TYPE"を含むことができる。TYPEパラメタ値は,IANAに登録された音声フォーマットの一つ又は非標準の音声フォーマットでなければならない。

型の例:

     SOUND;TYPE=BASIC;VALUE=uri:CID:JOHNQPUBLIC.part8.
      19960229T080000.xyzMail@host1.com

     SOUND;TYPE=BASIC;ENCODING=b:MIICajCCAdOgAwIBAgICBEUwDQYJKoZIhvcN
      AQEEBQAwdzELMAkGA1UEBhMCVVMxLDAqBgNVBAoTI05ldHNjYXBlIENvbW11bm
      ljYXRpb25zIENvcnBvcmF0aW9uMRwwGgYDVQQLExNJbmZvcm1hdGlvbiBTeXN0
      <..."B"符号化されたバイナリデータの残り...>

3.6.7 UID型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型UIDの登録

型名: UID

型の目的: vCardに関連する個人又は資源に対応する大域的に一意な識別子を表現する値を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: この型は,vCardが表現するオブジェクトを一意に識別するために使われる。

この型は,識別子のフォーマットを指定する型パラメタ"TYPE"を含むことができる。TYPEパラメタの値は,IANAに登録された識別子フォーマットとすることが望ましいが,非標準のフォーマットとすることもできる。

型の例:

     UID:19950401-080045-40000F192713-0052

3.6.8 URL型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型URLの登録

型名: URL

型の目的: vCardが参照するオブジェクトに関連する統一資源ロケ-タを指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のuri値。

型の例:

     URL:http://www.swbyps.restaurant.french/~chezchic.html

3.6.9 VERSION型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型VERSIONの登録

型名: VERSION

型の目的: このvCardをフォーマット化するために使用するvCard規定の版を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: 特性は,vCardオブジェクトの中に存在しなければならない。vCardがこの規定と一致する場合には,値は,"3.0"でなければならない。

型の例:

     VERSION:3.0

3.7 セキュリティ型

3.7で示す型は,vCardへの通信経路又はアクセスのセキュリティに関係する。

3.7.1 CLASS型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型CLASSの登録

型名: CLASS

型の目的: vCardオブジェクトのためのアクセス分類を指定するため。

型の符号化: 8ビット。

型の値: 単一のテキスト値。

型の特別な備考: アクセスの分類は,ディレクトリサービスのための一般的なセキュリティモデルにおける唯一の構成要素とする。分類の属性は,vCardオブジェクトが記述する情報への一般的なアクセスに対する所有者の意図を取得する方法を提供する。

型の例:

     CLASS:PUBLIC

     CLASS:PRIVATE

     CLASS:CONFIDENTIAL

3.7.2 KEY型定義

宛先: ietf-mime-directory@imc.org

件名: text/directory MIME型KEYの登録

型名: KEY

型の目的: vCardが表現するオブジェクトと関連する公開鍵又は認証証明証を指定するため。

型の符号化: 符号化は,行内の符号化されたバイナリデータを指定するために,ENCODINGパラメタを使って"b"に再設定されなければならない。値がテキスト値の場合は,8ビットのデフォルト符号化が使われ,明示的なENCODINGパラメタは必要としない。

型の値: 単一の値。デフォルトは,バイナリとする。テキスト値に再設定することもできる。テキスト値は,テキスト鍵を指定するために使うことができる。

型の特別な備考: この型は,公開鍵又は認証証明証フォーマットを指定する型パラメタTYPEを含むこともできる。そのパラメタ型は,IANAに登録された公開鍵又は認証証明証フォーマットを指定することが望ましい。パラメタ型は,非標準のフォーマットを指定することもできる。

型の例:

     KEY;ENCODING=b:MIICajCCAdOgAwIBAgICBEUwDQYJKoZIhvcNAQEEBQA
      wdzELMAkGA1UEBhMCVVMxLDAqBgNVBAoTI05ldHNjYXBlIENbW11bmljYX
      Rpb25zIENvcnBvcmF0aW9uMRwwGgYDVQQLExNJbmZvcm1hdGlvbiBTeXN0
      ZW1zMRwwGgYDVQQDExNyb290Y2EubmV0c2NhcGUuY29tMB4XDTk3MDYwNj
      E5NDc1OVoXDTk3MTIwMzE5NDc1OVowgYkxCzAJBgNVBAYTAlVTMSYwJAYD
      VQQKEx1OZXRzY2FwZSBDb21tdW5pY2F0aW9ucyBDb3JwLjEYMBYGA1UEAx
      MPVGltb3RoeSBBIEhvd2VzMSEwHwYJKoZIhvcNAQkBFhJob3dlc0BuZXRz
      Y2FwZS5jb20xFTATBgoJkiaJk/IsZAEBEwVob3dlczBcMA0GCSqGSIb3DQ
      EBAQUAA0sAMEgCQQC0JZf6wkg8pLMXHHCUvMfL5H6zjSk4vTTXZpYyrdN2
      dXcoX49LKiOmgeJSzoiFKHtLOIboyludF90CgqcxtwKnAgMBAAGjNjA0MB
      EGCWCGSAGG+EIBAQQEAwIAoDAfBgNVHSMEGDAWgBT84FToB/GV3jr3mcau
      +hUMbsQukjANBgkqhkiG9w0BAQQFAAOBgQBexv7o7mi3PLXadkmNP9LcIP
      mx93HGp0Kgyx1jIVMyNgsemeAwBM+MSlhMfcpbTrONwNjZYW8vJDSoi//y
      rZlVt9bJbs7MNYZVsyF1unsqaln4/vy6Uawfg8VUMk1U7jt8LYpo4YULU7
      UZHPYVUaSgVttImOHZIKi4hlPXBOhcUQ==

3.8 拡張型

この規定が定義する型は,[RFC 2045]で定義されている非標準の私的な値のための機構を使って,私的な型を使うように拡張できる。"X-"で始まる名前をもつ非標準の私的な型を,外部の登録又は標準化なしに,二つの協調動作するエージェント間で双方的に定義してよい。

4. 形式文法

4.で示す形式文法は,vCardの構文解析系を構築する開発者を支援するために提供される。

この構文は,RFC2234に示されている形式に従って書かれている。ただし,RFC2234におけるリテラルの次の部分集合を参照する。



;*******************************************
; 共通に使われるリテラル定義
;*******************************************


ALPHA        = %x41-5A / %x61-7A
; ラテン大文字A 〜 ラテン大文字Z,又は
; ラテン小文字a 〜 ラテン小文字z。



CHAR         = %x01-7F
; [UNICODE]の7-6ページ〜7-9ページにあるコード表から
; NULLを除いた,CO制御及び基本ラテン。


CR           = %x0D
; 復帰。


LF           = %0A
; 改行。


CRLF         = CR LF
; インタネットにおける標準の改行。


;CTL         = %x00-1F / %x7F
; 制御。使用されないが,注釈で参照される。


DIGIT        = %x30-39
; 数字0〜数字9。


DQUOTE       = %x22
; 引用符。


HTAB         = %x09
; 水平タブ。


SP           = %x20
; スペース。


VCHAR        = %x21-7E
; 見ることのできる(印字される)文字。


WSP          = SP / HTAB
; 空白。


;*******************************************
; 基本的なvCard定義
;*******************************************


vcard_entity = 1*(vcard)

vcard        = [group "."] "BEGIN" ":" "VCARD" 1*CRLF
               1*(contentline)
; vCardオブジェクトは,VERSION型,FN型及びN型を含まなければならない。
               [group "."] "END" ":" "VCARD" 1*CRLF


contentline  = [group "."] name *(";" param ) ":" value CRLF
; 内容行を構文解析する場合,継続された行は,2.6の行非継続手続きに従って,
; 最初に行非継続されなければならない。内容行を生成する場合には,75文字
; より長い行は,[MIME DIR]に示される行継続手続きによって行継続されること
; が望ましい。


group        = 1*(ALPHA / DIGIT / "-")

name         = iana-token / x-name
; param及びvalueの構文解析は,"name"又は以下のABNF記述で定義される型識別子に基づく。


iana-token   = 1*(ALPHA / DIGIT / "-")
; IANAに登録されている,vCard型又はパラメタ識別子。	


x-name       = "X-" 1*(ALPHA / DIGIT / "-")
; 非標準の使用のために予約。

param        = param-name "=" param-value *("," param-value)

param-name   = iana-token / x-name

param-value  = ptext / quoted-string

ptext        = *SAFE-CHAR

value        = *VALUE-CHAR

quoted-string = DQUOTE QSAFE-CHAR DQUOTE



NON-ASCII    = %x80-FF
; 使用は,外部のMIMEオブジェクトのCHARSETパラメタ(UTF-8を推奨)で制限される。	


QSAFE-CHAR   = WSP / %x21 / %x23-7E / NON-ASCII
; CTLs及びDQUOTEを除く任意の文字。


SAFE-CHAR    = WSP / %x21 / %x23-2B / %x2D-39 / %x3C-7E / NON-ASCII
; CTLs,DQUOTE,";", ":"及び","を除く任意の文字。


VALUE-CHAR   = WSP / VCHAR / NON-ASCII
; 任意のテキスト文字。


;*******************************************
; vCard型定義
;
; "value"及び"param"がどのように定義されるか
; のための型特有の定義を提供する。
;*******************************************


; name="NAME"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。 


value        = text-value

; name="PROFILE"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。 


value        = text-value
; 値は,大文字及び小文字の区別をしない値"VCARD"でなければならない。


; name="SOURCE"用。
param        = source-param
; パラメタは許可されない。


value        = uri

source-param = ("VALUE" "=" "uri")
                / ("CONTEXT" "=" "word")
; パラメタ値は,uri値のためのプロトコル文脈を指定する。
                / (x-name "=" *SAFE-CHAR)


; name="FN"用。
; この型は,vCardオブジェクトに含まれなければならない。


param        = text-param	  
; textパラメタが許可される。


value        = text-value

; name="N"用。
; この型は,vCardオブジェクトに含まれなければならない。


param        = text-param
; textパラメタが許可される。


value        = n-value

n-value      = 0*4(text-value *("," text-value) ";")
               text-value *("," text-value)
; 姓(Family); 名(Given); 付加的な名前(Middle); 前置の敬称(Prefix); 後置の敬称(Suffix)。
; 例:Public;John;Quincy,Adams;Reverend Dr. III


; name="NICKNAME"用。
param        = text-param
; textパラメタが許可される。


value        = text-list

; name="PHOTO"用。
param        = img-inline-param
; 画像パラメタだけが許可される。


param        =/ img-refer-param
; 画像パラメタだけが許可される。


value        = img-inline-value
; 値及びパラメタは一致しなければならない。


value        =/ img-refer-value
; 値及びパラメタは,一致しなければならない。

         
; name="BDAY"用。
param        = ("VALUE" "=" "date")	  
; 値パラメタだけが許可される。


param        =/ ("VALUE" "=" "date-time")
; 値パラメタだけが許可される。


value        = date-value
; 値は,値型と一致しなければならない。


value        =/ date-time-value
; 値は,値型に一致しなければならない。


; name="ADR"用。
param        = adr-param / text-param
; adrパラメタ及びtextパラメタだけが許可される。


value        = adr-value

; name="LABEL"用。
param        = adr-param / text-param
; adrパラメタ及びtextパラメタだけが許可される。

value        = text-value

; name="TEL"用。
param        = tel-param
; telパラメタだけが許可される。


value        = phone-number-value

tel-param    = "TYPE" "=" tel-type *("," tel-type)
tel-type     = "HOME" / "WORK" / "PREF" / "VOICE" / "FAX" / "MSG"
                / "CELL" / "PAGER" / "BBS" / "MODEM" / "CAR" / "ISDN"
                / "VIDEO" / "PCS" / iana-token / x-name
; 値は,大文字及び小文字の区別をしない。


; name="EMAIL"用。
param        = email-param
; emailパラメタだけが許可される。


value        = text-value

email-param  = "TYPE" "=" email-type ["," "PREF"]
; 値は,大文字及び小文字の区別をしない。


email-type   = "INTERNET" / "X400" / iana-token / "X-" word
; 値は,大文字及び小文字の区別をしない。


; name="MAILER"用。
param        = text-param
; textパラメタだけが許可される。

value        = text-value

; name="TZ"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。 

value        = utc-offset-value

; name="GEO"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。


value        = float-value ";" float-value

; name="TITLE"用。
param        = text-param
; textパラメタだけが許可される。


value        = text-value

; name="ROLE"用。
param        = text-param
; textパラメタだけが許可される。


value        = text-value

; name="LOGO"用。
param        = img-inline-param / img-refer-param
; 画像パラメタだけが許可される。


value        = img-inline-value / img-refer-value
; 値及びパラメタは,一致しなければならない。


; name="AGENT"用。
param        = agent-inline-param

param        =/ agent-refer-param

value        = agent-inline-value
; 値及びパラメタは,一致しなければならない。


value        =/ agent-refer-value
; 値及びパラメタは,一致しなければならない。


agent-inline-param = ""
; パラメタは許可されない。


agent-refer-param = "VALUE" "=" "uri"
; 値パラメタだけが許可される。


agent-inline-value = text-value
; 値は,有効なvCardオブジェクトでなければならない。


agent-refer-value = uri
; URIは,与えられた型の画像内容を参照しなければならない。


; name="ORG"用。

param        = text-param
; textパラメタだけが許可される。


value        = org-value

org-value    = *(text-value ";") text-value	
; 第1番目は組織名とし,残りは部門名とする。


; name="CATEGORIES"用。
param        = text-param
; textパラメタだけが許可される。


value        = text-list

; name="NOTE"用。
param        = text-param
; textパラメタだけが許可される。


value        = text-value

; name="PRODID"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。


value        = text-value

; name="REV"用。
param        = ["VALUE" =" "date-time"]
; 値パラメタだけが許可される。値は,大文字及び小文字の区別をしない。        


param        =/ "VALUE" =" "date"
; 値パラメタだけが許可される。値は,大文字及び小文字の区別をしない。        


value        = date-time-value

value        =/ date-value

; name="SORT-STRING"用。
param        = text-param
; textパラメタだけが許可される。


value        = text-value

; name="SOUND"用。
param        = snd-inline-param
; 音パラメタだけが許可される。


param        =/ snd-refer-param
; 音パラメタだけが許可される。


value        = snd-line-value
; 値は,値型と一致しなければならない。


value        =/ snd-refer-value
; 値は,値型と一致しなければならない。


snd-inline-value     = binary-value CRLF	
; 値は,"b"符号化された音声内容でなければならない。


snd-inline-param     = ("VALUE" "=" "binary"])
                        / ("ENCODING" "=" "b")
                        / ("TYPE" "=" *SAFE-CHAR
; 値は,IANAに登録されている音声型でなければならない。


snd-refer-value      = uri
; URIは,与えられた型の音声内容を参照しなければならない。


snd-refer-param      = ("VALUE" "=" "uri")
                     / ("TYPE" "=" word)
; 値は,IANAに登録されている音声型でなければならない。

; name="UID"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。

value        = text-value

; name="URL"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。


value        = uri

; name="VERSION"用。
; この型は,vCardオブジェクトに含まれなければならない。    


param        = ""
; パラメタは許可されない。


value        = text-value
; 値は,"3.0"でなければならない。


; name="CLASS"用。
param        = ""
; パラメタは許可されない。


value        = "PUBLIC" / "PRIVATE" / "CONFIDENTIAL"
                / iana-token / x-name
; 値は,大文字及び小文字の区別をしない。


; name="KEY"用。
param        = key-txt-param 
; valueパラメタ及びtypeパラメタだけが許可される。


param        =/ key-bin-param
; valueパラメタ及びtypeパラメタだけが許可される。


value        = text-value

value        =/ binary-value

key-txt-param = "TYPE" "=" keytype

key-bin-param = ("TYPE" "=" keytype)
              / ("ENCODING" "=" "b")
; 値は,"b"符号化された鍵又は証明証でなければならない。


keytype      = "X509" / "PGP" / iana-token / x-name
; 値は,大文字及び小文字の区別をしない。

; name="X-"非標準型用。
param        = text-param / (x-name "=" param-value
; textパラメタ又は非標準パラメタだけが許可される。


value        = text-value


;*******************************************
; vCardで共通に使用されるパラメタの定義
;*******************************************


text-param   = ("VALUE" "=" "ptext")
             / ("LANGUAGE" "=" langval)
             / (x-name "=" param-value)


langval      = 


img-inline-value     = binary-value
; 値は,"b"符号化された画像内容でなければならない。



img-inline-param     = ("VALUE" "=" "binary")
                     / ("ENCODING" "=" "b")
                     / ("TYPE" "=" param-value
; TYPE値は,IANAに登録されている画像型でなければならない。


img-refer-value = uri
; URIは,与えられた型の画像内容を参照しなければならない。


img-refer-param      = ("VALUE" "=" "uri")
                     / ("TYPE" "=" param-value)
; TYPE値は,IANAに登録されている画像型でなければならない。


adr-param    = ("TYPE" "=" adr-type *("," adr-type))
             / (text-param)


adr-type     = "dom" / "intl" / "postal" / "parcel" / "home"
                / "work" / "pref" / iana-type / x-name


adr-value    = 0*6(text-value ";") text-value
; 私書箱(PO Box), 拡張番地(Extended Address), 街路番地(Street), 地区(Locality), 
; 地域(Region), 郵便番号(Postal Code), 及び国名(Country Name)。


;*******************************************
; vCard型値定義
;*******************************************


text-value-list      = 1*text-value *("," 1*text-value)


text-value   = *(SAFE-CHAR / ":" / DQUOTE / ESCAPED-CHAR)


ESCAPED-CHAR = "\\" / "\;" / "\," / "\n" / "\N")
; \\は,\を符号化する。
; \n又は\Nは,改行を符号化する。
; \;は,;を符号化する。
; \,は,,を符号化する。


binary-value = <[RFC 2047]で定義されているとおりに"b"符号化されたテキスト値>


date-value   = <[MIME-DIR]で定義されているとおりの単一の日付値>


time-value   = <[MIME-DIR]で定義されているとおりの単一の時間値>


date-time-value = <[MIME-DIR]で定義されているとおりの単一の日時値>


float-value  = <[MIME-DIR]で定義されているとおりの単一の浮動小数点値>


phone-number-value = <[CCITT E.163]及び[CCITT X.121]で定義されているとおりの単一のテキスト値>


uri-value    = <[MIME-DIR]で定義されているとおりのuri値>


utc-offset-value = ("+" / "-") time-hour ":" time-minute
time-hour    = 2DIGIT                ; 00-23
time-minute  = 2DIGIT                ; 00-59

5. vCard v2.1との相違

この規定は,IETFコミュニティによって審議された。その審議過程において,[VCARD]の版2.1からの多くの相違が導入された。これらの相違によって,この規定に適合するvCardオブジェクトは,[VCARD]の版2.1に適合するvCardではない異なる版番号をもつことを要求される。相違は,次を含む。

6. 貢献者

IETF ASID作業グループのメンバによって提供された多くの価値あるコメントに感謝する。それらは,Roland Alden,Stephen Bartlett,Alec Dun,Patrik Faltstrom,DanielGurney,Bruce Johnston,Daniel Klaussen,Pete Miller,Keith Moore,Vinod Seraphin及びMichelle Watkinsによる寄与である。Chris Newmanは,ABNFの複雑な議論をたどる上で特に助けになってくれた。

7. 著者の連絡先

BEGIN:vCard
VERSION:3.0
FN:Frank Dawson
ORG:Lotus Development Corporation
ADR;TYPE=WORK,POSTAL,PARCEL:;;6544 Battleford Drive
 ;Raleigh;NC;27613-3502;U.S.A.
TEL;TYPE=VOICE,MSG,WORK:+1-919-676-9515
TEL;TYPE=FAX,WORK:+1-919-676-9564
EMAIL;TYPE=INTERNET,PREF:Frank_Dawson@Lotus.com
EMAIL;TYPE=INTERNET:fdawson@earthlink.net
URL:http://home.earthlink.net/~fdawson
END:vCard

BEGIN:vCard
VERSION:3.0
FN:Tim Howes
ORG:Netscape Communications Corp.
ADR;TYPE=WORK:;;501 E. Middlefield Rd.;Mountain View;
 CA; 94043;U.S.A.
TEL;TYPE=VOICE,MSG,WORK:+1-415-937-3419
TEL;TYPE=FAX,WORK:+1-415-528-4164
EMAIL;TYPE=INTERNET:howes@netscape.com
END:vCard

8. セキュリティへの考慮

vCardは,3.7.2に規定するとおり, 暗号鍵又は証明証を運ぶことができる。

3.7.1は,特定のvCardのための望ましいセキュリティ分類方針を規定する。その方針は,強制されるものではない。

vCardオブジェクトには,認証又はプライバシが本来備わっていない。しかし,認証又はプライバシをともなってMIMEオブジェクトを転送するいかなるセキュリティ機構によっても,容易にvCardオブジェクトを運ぶことができる。"だまし(騙し)のある"vCard情報の脅威が心配される場合には,vCardを,これらセキュリティ機構の一つを使って運ぶことが望ましい。

vCardの中の情報は,期限切れになるかもしれない。データの持続性がvCardの発信者にとって重要な場合には,3.6.8に示される"URL"型を指定することが望ましい。さらに,3.6.4に示される"REV"型は,vCardデータが更新された最後の時間を示すために指定できる。

9. 引用規定

[ISO 8601]    ISO 8601:1988 - Data elements and interchange formats -
              Information interchange - Representation of dates and
              times - The International Organization for
              Standardization, June, 1988.

[ISO 8601 TC] ISO 8601, Technical Corrigendum 1 - Data elements and
              interchange formats - Information interchange -
              Representation of dates and times - The International
              Organization for Standardization, May, 1991.

[ISO 9070]    ISO 9070, Information Processing - SGML support
              facilities - Registration Procedures for Public Text
              Owner Identifiers, April, 1991.

 備考 JIS X 4172:1998 SGML公開テキスト所有者識別子 が, この規格に一致している。

[CCITT E.163] Recommendation E.163 - Numbering Plan for The
              International Telephone Service, CCITT Blue Book,
              Fascicle II.2, pp.  128-134, November, 1988.

[CCITT X.121] Recommendation X.121 - International Numbering Plan for
              Public Data Networks, CCITT Blue Book, Fascicle VIII.3,
              pp. 317-332, November, 1988.

[CCITT X.520] Recommendation X.520 - The Directory - Selected
              Attribute Types, November 1988.

[CCITT X.521] Recommendation X.521 - The Directory - Selected Object
              Classes, November 1988.

[MIME-DIR]    Howes, T., Smith, M., and F. Dawson, "A MIME Content-
              Type for Directory Information", RFC 2425, September
              1998.

[RFC 1738]    Berners-Lee, T., Masinter, L., and M. McCahill,
              "Uniform Resource Locators (URL)", RFC 1738, December
              1994.

[RFC 1766]    Alvestrand, H., "Tags for the Identification of
              Languages", RFC 1766, March 1995.


[RFC 1872]    Levinson, E., "The MIME Multipart/Related Content-
              type", RFC 1872, December 1995.

[RFC 2045]    Freed, N., and N. Borenstein, "Multipurpose Internet
              Mail Extensions (MIME) - Part One: Format of Internet
              Message Bodies", RFC 2045, November 1996.

[RFC 2046]    Freed, N., and N. Borenstein, "Multipurpose Internet
              Mail Extensions (MIME) - Part Two: Media Types", RFC
              2046, November 1996.

[RFC 2047]    Moore, K., "Multipurpose Internet Mail Extensions
              (MIME) - Part Three: Message Header Extensions for
              Non-ASCII Text", RFC 2047, November 1996.

[RFC 2048]    Freed, N., Klensin, J., and J. Postel, "Multipurpose
              Internet Mail Extensions (MIME) - Part Four:
              Registration Procedures", RFC 2048, January 1997.

[RFC 2119]    Bradner, S., "Key words for use in RFCs to Indicate
              Requirement Levels", BCP 14, RFC 2119, March 1997.

[RFC 2234]    Crocker, D., and P. Overell, "Augmented BNF for Syntax
              Specifications: ABNF", RFC 2234, November 1997.

[UNICODE]     "The Unicode Standard - Version 2.0", The Unicode
              Consortium, July 1996.

[VCARD]       Internet Mail Consortium, "vCard - The Electronic
              Business Card Version 2.1",
              http://www.imc.org/pdi/vcard-21.txt, September 18,
              1996.

10. 著作権表示

Copyright (C) The Internet Society (1998). All Rights Reserved.

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参考 著作権表示の訳を次に示す。

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