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13. 分散に対するサポート
13.1 概観
エンタプライズBeanオブジェクトへの遠隔クライアントアクセスは,遠隔メソッド呼出し(JavaRMI)の標準JavaAPI[3]を通じてサポートされる。このAPIによってクライアントは,工業標準IIOPプロトコルなどのあらゆる分散オブジェクトプロトコルを使用して,エンタプライズBeanオブジェクトを呼び出すことができる。この点は,IDL
Mapping規定[5]に対するOMG Javaで定義されるのと同様とする。
JavaRMI APIは,クライアントプログラマに対し位置透過なエンタプライズBeanオブジェクトにアクセスする。
13.2 クライアント側のオブジェクト
次のオブジェクトはクライアントのJVMに存在する。
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EJBオブジェクトに関する位置
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エンタプライズBeanのホームオブジェクトに関するスタブ
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図13.1 クライアントアドレス空間及びコンテナアドレス空間
EJBホームオブジェクト及びEJBオブジェクトは,JavaRMI遠隔オブジェクトとする。JavaRMI規定[3]及びIDL
Mapping規定[5]に対するOMG Javaは,ファクトリ,コンテナ及びサーバ上のEJBオブジェクトに対するスタブ並びにサーバ上のスタブ及びオブジェクト間の通信を定義する。
通信スタブ及びスケルトンは,エンタプライズBeanの配置時にEJBコンテナ提供者ツールによって生成される。
13.3 ネットワークプロトコルを介した相互運用性
13.3.1 CORBAへのマッピング
エンタプライズJavaBeansのCORBAへの標準マッピングは,[6]で定義される。
マッピングによって次に示す相互運用が可能になる。
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非JavaのCORBAクライアントがあらゆるエンタプライズBeanオブジェクトをアクセスできる。
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あるベンダからのORBを使用するクライアントが,別のベンダが提供するCORBAベースのEJBサーバ上に存在するエンタプライズBeansをアクセスできる。
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あるCORBAベースのEJBサーバのエンタプライズBeansは,別のCORBAベースのEJBサーバのエンタプライズBeansをアクセスできる。
13.3.2 他のプロトコルに対するサポート
分散のための他の書式も可能とする。例えば,クライアントは,HTTPを使用して,EJBオブジェクト及びホームインタフェースを通じエンタプライズBeanオブジェクトを呼び出すサーブレットを呼び出すことができる。
コンテナはまた,インストールされたエンタプライズBeansのための付加的なクライアントのビューAPIを提供するかもしれない。例えば,コンテナは,インストールされたエンタプライズBeansをVisual
Basic,Visual Basic ScriptingエンジンといったOLE Automationクライアントに開示する選択をするかもしれない。IIOP以外のプロトコルへのマッピングは,現EJB規定の範囲外とする。
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