TR X 0068:2002

CDメディア物理的識別のための指針
解説



1. 公表の趣旨及び経緯

1.1 背景

CDメディアはディスクが剥き出しになっているため, その物理的識別にはディスク上に直接指示される情報表示が必要である。大量生産されるCD-ROMでは, ディスク面への印刷が行われてきたが, 少量への情報書き込みが行われるCD-R, CD-RWメディアの普及に伴い, その物理的識別の方法が利用者にとって問題になってきた。

メディア生産者及びメディアドライブ生産者は, スティカなどは貼り付けないことを推奨し, フェルトペンなどによる記入を推奨している。しかしその推奨とは独立に, スティカの用紙及びそのエディティングソフトが関連業者から提供され普及している。

この状況は, CDメディアの利用者を混乱させるだけでなく, 関連市場の健全な拡大を阻害する可能性を否定できない。そこで, CDメディアをスティカ等によって物理的に識別するための具体的な指針が強く望まれていた。


1.2 公表の趣旨及び経緯

光産業技術振興協会の光ディスク標準化委員会 フォーマット分科会は, 特許庁などの申請業務を扱う関連省庁の強い要望を受け, CD-Rの標準情報(TR)原案作成を行った。その結果, CD-R/RWの運用上の課題についても多くの問合わせを受けることとなり, 特にスティカの運用についての指針作成を強く求められた。

そこでフォーマット分科会は, 光ディスク標準化委員会にこの標準情報(TR)の原案作成への協力を仰ぐと共に, 当時の通商産業省工業技術院及びCD-R/RWの原規定の提供元であるPhilipsと調整を行い, 2001年10月に原案を完成した。


2. 審議中の主要検討課題及び懸案事項

2.1 用語

各CDメディアに関するJIS及びTRの用語を採用している。

JIS S 8605で, 印刷及び貼付けを含めてレーベルとしている。 これと区別するため, ここでは貼付けるものをスティカということとした。


2.2 メディア生産者の対応

この標準情報(TR)の原案作成に際しては, CDライセンサの協力をいただいた。この標準情報(TR)の公表とは関係なく, CDライセンサは, 利用者に対して次に示すこれまでの勧告を確認している。


3. 参考文献

[1] CD-R用ラベルに関する調査, 光ディスクの標準化に関する調査研究成果報告書, 光産業技術振興協会, 2001-03


4. 原案作成委員会

この標準情報(TR)の原案は,財団法人光産業技術振興協会に設置された光ディスク標準化委員会のフォーマット分科会で作成され,光ディスク標準化委員会のレビューを受けた。これらの委員会の委員構成を, それぞれ解説表4.2及び解説表4.1に示す。

解説表4.1 光ディスク標準化委員会の構成
氏名所属
(委員長)小町 祐史松下電送システム株式会社
(副委員長)入江 満三菱電機株式会社
(副委員長)菅谷 寿鴻株式会社東芝
橋詰 隆株式会社小野測器
横川 文彦パイオニア株式会社
石亀 昌明岩手県立大学
入江 英之DVDフォーラム
小川 博司ソニー株式会社
金沢 安矩日立マクセル株式会社
助田 裕史株式会社日立製作所
高橋 正悦株式会社リコー
田辺 隆也日本電信電話株式会社
土屋 洋一三洋電機株式会社
徳丸 春樹日本放送協会
戸島 知之NTTエレクトロニクス株式会社
橋本 進日本規格協会
八谷 祥一株式会社アプリックス
樋口 政孝財団法人デジタルコンテンツ協会
藤本 健文日本フィリップス株式会社
山田 昇松下電器産業株式会社
(オブザーバ)谷口 裕則経済産業省産業技術環境局
(事務局)増田 岳夫光産業技術振興協会
(事務局)田辺 正剛光産業技術振興協会
(事務局)中島 眞人光産業技術振興協会

解説表4.2 光ディスク標準化委員会 フォーマット分科会の構成
氏名所属
(統括)小町 祐史松下電送システム株式会社
(副統括)八谷 祥一株式会社アプリックス
(副統括)高橋 正悦株式会社リコー
石井 正則日本電気株式会社
石川 清彦日本放送協会
伊藤 精悟株式会社東芝
木戸 達雄経済産業省産業技術環境局
工藤 芳明大日本印刷株式会社
後藤 芳稔松下電器産業株式会社
沢田 要川鉄情報システム株式会社
徳光 健司株式会社日立製作所
中根 和彦三菱電機株式会社
吉岡 誠富士通株式会社
(事務局)増田 岳夫光産業技術振興協会
(事務局)松川 茂樹光産業技術振興協会

この標準情報(TR)の原案作成には, フォーマット分科会の活動以外に次の専門家の協力をいただいた。

解説表4.3 原案作成に協力いただいた専門家
氏名所属
藤本 健文日本フィリップス株式会社
藤平 亘日本フィリップス株式会社