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5. 将来のシステム

5.1 将来の計画

今回実現したのは,各国語のOS上で日本語のHTMLで書かれた議会文書情報をブラウジングすることと、PDFによりフォーマット済み日本語文書を出力することであった。
 
将来の計画としては,HTML文書のブラウジングに関しては,より多くの言語に対応すること,より多くの種類のOSに対応すること,さらにホームページ上で双方向の通信ができるようにその言語の入力が可能となることが検討される必要があろう。また、より確実なコミュニケーションのためには各国語によるPDFの入出力によるフォーマット済み文書を扱えるようにすることが必要であろう。

まず、ブラウザの各国語対応であるが、これは現在の日本語のブラウザ環境に各国語フォントを提供する事が最大の課題であり、技術的にはほぼ問題は解決されている。

日本語以外には,中国語(GB、Big5),ハングル,スペイン語、ポルトガル語,フランス語、アラビア語,タイ語などのフォントの開発は進んでいる。これ以外の言語も基本的には文字コードが確立されていれば,フォントの早期の開発は可能である。しかし、文字コードが確立出来ていない言語もある。この場合には早期のサポートが必要である。

各国語OSの対応について,今回のシステムはWindows95を前提に開発されたものであり、英語OS,中国語OS,韓国語OS,日本語OSについては実証が済んでおり問題がないと思われる。これをWindows3.1、NT、98に対応する事は可能である。

その他の言語対応のWindowsについては,十分にテストが行われていないが,大きな問題点はないと思われる。

Windows以外のOS対応については現在開発を予定していない。

双方向の対応は,ユーザからの検索,リストへの登録,アンケート調査の回答などが必要な場合がある。それが可能となるように,画面上でマウスなどを用いた仮想キーボードの開発も必要となろう。

PDFは,HTML文書に比べて文書としてより確実なコミュニケーションが可能である。しかしフォントの問題,各国語対応のOSなどと共に,Webを用いた配送の問題などの課題の解決も必要である。

今後の開発が期待されている。

5.2 サブシステムB

サブシステムAで実現できるHTML文書の表現能力は、使用する文字体系によってはかなり低い。また、とくに漢字を用いる国においては、標準文字セット以外の文字を使用せざるを得ないケースも多い。この場合も、サブシステムAには限界がある。

サブシステムBは、上記問題を解決する手段として採用するものである。

基本的には、フォント埋め込み型のポータブルドキュメント・ファイルシステムである。このファイルシステムは、組版(フォーマット)された文書情報を、その組版処理に用いたアプリケーションとは無関係にフォーマットし直し、受け手側では、組版処理に用いたアプリケーションに依存せずにそのファイルを開くことができ、かつ送り手側が組版した状態に復元できる。また、文書自体にフォント実体を埋め込むことによって、文字の中に標準以外の「外字」が入っていても、あるいは特殊な書体を用いていても、組版スタイルを確実に再現できる。

このサブシステムにおいては、発信国側の文書データを所定のポータブルドキュメント・ファイルフォーマットに変換しておくこと、および受信国側では、このファイルを開くことのできるツール(読むことができる、という意味で「ポータブルドキュメントリーダ」と総称する)を用意する必要がある。

したがって、本サブシステムとして用意すべきツールは以下の通りである。


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