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9. SGML/XML応用

9.1 HyTime



SGMLを用いてマルチメディア情報の構造記述を行おうとする活動がSteven Newcomb,Charles Goldfarbらによって開始され,まずSMDL(標準音楽記述言語)のプロジェクトがSC18/WG8に設立された.その議論の過程で,マルチメディアに共通する技術要素が抽出され,それを記述するために,体系形式(Architectural Form)という概念が導入されて,HyTime(ハイパメディア及び時間依存情報の構造化言語)が独立した規格ISO/IEC 10744:1992として発行された.

HyTimeはマルチメディア/ハイパメディアを扱うために必要な多くの斬新な技術を含み,原案審議段階でその分野の多くの技術者から注目を集めた.新規分野を扱う国際規格にありがちなように,多くの要求とコメントとが集まった結果,エディタはそれらを規格の中に反映することを余儀なくされ,HyTimeの規定内容は膨大なものになって,その実装が広く普及することはなかった.

しかしHyTimeで投入されたハイパリンクの扱いは,HTMLのハイパリンクに引き継がれてWorld Wide Webの大規模な普及につながり,さらにXLinkへと発展した.時間情報の扱いはSMIL等の関連規格に引き継がれ,ロケーションモデルの扱いはXPathに発展した.


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