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10. むすび



SGMLから始まったマーク付け言語は,HTML, XMLの普及によって今や多くの人たちがそれを利用することを意識することなく利用している状態となった.

それらの規格開発に関与した専門家達はISO/IEC JTC1が提供するデジュールスタンダードとW3Cが提供するデファクトスタンダードの開発手続きを巧妙に使い分けて,利用者要求に応えると共に,規定の実装と普及に関してさまざまな戦略を展開した.

XMLに基づくODFとOOXMLはその投票段階から多くの人たちの注目を集め,2007年度末において,SC34には39ヶ国のPメンバと16ヶ国のOメンバが参加するに至っている.

これらの規格はいずれもJTC1の加速化手続きを用いて提案されたが,その規定内容が膨大であったため,ODFは加速化手続きを用いた場合のメンテナンスの手続きの問題を表面化させ,OOXMLは加速化手続きにおける投票対処の問題を表面化させた.これらはJTC1の問題として今後さらに検討されることになろう.数千ページに及ぶOOXMLの規定内容は,規格出版・配布の形態にも見直しが求められよう.


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